2006年11月25日

カポーティ

カポーティ

一家殺人事件の新聞記事を目にし、次回作の題材に用いようと調査するカポーティ。

発見者、警察、犯人ペリーに接触していくうえでの、カポーティの口の上手さは天才的だと思った。自分の苦い過去や、傷をも語ることで共感を得る。最高にいやらしい。それがプロの作品創作に対する技、執念なのか。

だが、犯人ペリーの孤独や心の闇に共感・理解すると同時につけこみ、嘘をつきながら創作の為に「友情」を育む過程…ペリーがカポーティに心を開けば開くほど、見るのが辛かった。

「冷血」なのはカポーティだ!と思ったが、彼が「冷血」以後、執筆できなかったことを考えると、ペリー死刑執行前に流した涙と謝罪は本物だったのだろう。自己愛からくる涙かも知れないけども。

結局、カポーティは、ペリーへの罪悪感や良心の呵責・葛藤に勝てず、自分自身で「冷血」という作品にのまれ、決着がつけられなかったから、執筆が出来なくなったのかな、と感じた。

ペリー役の役者さんが良かった。孤独で傷つきやすそうなところが、目と顔色の悪さにマッチしていた。
画面の落ち着いた色あい、全編通して静かな雰囲気も重々しくて良かった。だからこそ、発砲音が鮮明で効果的だった。

良い映画ではあると思うけど、鑑賞後の気分は決してすがすがしいものではなかった。
posted by ユカソ at 23:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 見た(映画) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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